突撃!道産子アプリの開発環境 パート4 【FastEver 2 編】
はじめに
こんにちは。最近は朝のジムが日課になりつつあるタミー・トッキーこと田宮です!
北海道で生まれたアプリが、どのようにして作られているのかをご紹介していくこの企画。
第4回目の今回は、若林 大悟さん が開発した iOS アプリ FastEver 2をご紹介します!
初代FastEverは、2010年に公開され、現在に至るまで App Store で販売されている歴史の長いアプリです。今回お聞きした FastEver2は、その後継バージョンとして、2015年にリリースされました。
今回の記事では、アプリのウリや開発環境の他、長きに渡ってアプリを育てて行く中で、どんな工夫や考え方をされているのか、伺うことができました。
では、さっそく行ってみましょう!
前回までの目次
突撃!道産子アプリの開発環境 パート1 【DOCOL 編】 | Developers.IO
突撃!道産子アプリの開発環境 パート2 【毎日がラーメン 編】
突撃!道産子アプリの開発環境 パート3 【ダブルマップ 編】
FastEver 2 とは
ここで、画面写真を交えて、具体的にアプリの内容を見ていきましょう。
また、以下リンクに解説が載っていますので、そちらも合わせてご参照ください。
FastEver 2 | rakko entertainment
特徴1:サクッと Evernote に書き込める
Evernote 公式アプリでは、起動後、文字入力が出来るようになるまでに、メニューからさらにボタンをタップしたり、既存のノートを選択するといった手間が発生します。(※1)。便利機能が沢山入っていますが、どうしても文字を入力するまでの時間は長くかかってしまいます。古いデバイス上では、動作が緩慢になりがちな傾向もあるようです。
※1 iPhone 6s等の 3D Touch対応デバイスの場合は、①ホーム画面でアイコンを押し込んだ後、②「新規ノート」をタップする、で文字入力画面に到達しますが、依然として2ステップ必要です。
一方、FastEver 2 は起動直後に文字入力ができます。そのため、考えた事を、忘れないうちに直ぐに書き込むことが可能です。
書き込んだノートの修正機能等は省かれていますが、その分 UI はシンプルで、考えを素早く書き残すことに集中できます。新しいノートをどんどん書いていくのに特化したアプリとなっています。
特徴2:シンプルでパワフルな編集機能
iOS では、カーソルキーを移動するのは、すこし手間がかかります。文字の周辺を長押しし、虫めがねが出てきてから、カーソルを動かす、といった操作になります。FastEver 2では、他の方法が用意されています。
FastEver 2 では、入力エリア上で左右にスワイプするだけで、カーソルが移動します。
また、キーボード上部には、入力ツールが備わっています。 画像を挿入するためのボタン、チェックボックスを挿入できるボタン、現在日時をボタン一発で入力できるボタンなどです。
特徴3:3D Touchが便利
3D Touch機能に対応した端末(iPhone 6s など)では、ホーム画面でアイコンを押し込むと、直接カメラ撮影の画面等に移動することが出来ます。
デベロッパー紹介
今回のアプリを個人で開発されている、若林 大悟さんにお話を伺うことが出来ました。
作者・若林さんからの紹介
ー どのようなアプリか教えて下さい。
若林さん(以下敬称略): Evernote に素早く簡単にメモをとるアプリです。アプリを起動したらすぐにメモを取り始めることができます。
FastEver 2 のウリ
ー FastEver 2のココが便利!楽しい!という部分やウリを教えて下さい。
若林: ちょっとしたメモを Evernote に送るのに便利です。FastEver 2からは、写真を本文中に複数挿入できるようになっているので、食べ物の記録にも活躍します。個人的には、飲んだ日本酒の感想を、写真付きでメモするのに大活躍しています。
開発ストーリーと開発環境
ネーミング
ー ネーミングの由来を教えてください。
若林: 「Fast + Evernote」と、英語表現「Fastest ever」を組み合わせて名付けました。
開発期間
ー ここまでの開発期間を教えて下さい。
若林: FastEver を一旦作り直すという企画自体はかなり前からあって、2年くらい温めていたと思います。
どのような UI にすればシンプルさを失わずに機能を増やせるのかということを長い間考えていました。Xcode のプロジェクトを作成したのはリリースの約1年前ですが、本格的に開発を進めたのはリリースの3ヶ月前くらいです。
楽しかった点・苦労した点
ー 開発していて楽しかったことを教えて下さい
若林: 前作になかった機能を多く実装しながらも、シンプルさを失わない UI を実現するために、試行錯誤するのが楽しかったです。
ー 逆に、開発していて、苦労した点を教えて下さい。
若林: 2で新しく盛り込む機能を選定していったり、逆に外す機能を決めたりするのにとても悩みました。
ー ありがとうございます。
技術的な工夫
ー 技術的に工夫された点を教えて下さい。
若林: UITextViewをベースに、画像を挿入できるようにしています。画像の配置や大きさを調整したり、前後にテキストカーソルを入れやすいようにタッチエリアを設けたりと、ユーザーさんが使いやすく感じられるよう工夫しました。ちなみに、画像はNSTextAttachmentのサブクラスを作って挿入しています。
開発ツール
ー 開発ツールを教えて下さい。
若林: 主にこうしたツールを使っています。
使用OSS
ー 使用されたOSSを教えて下さい。
若林: これらを使っています。
開発体制
ー FastEver 2 の開発体制を教えて下さい。
若林: 1人で企画・UIデザイン・プログラムなど全てをおこなっています。
一日の流れ
ー 開発日の標準的な一日の流れを教えて下さい。
若林: 基本的には自宅で午前中から夜まで作業しています。
長期の継続的な開発・運用
ー FastEver シリーズは長く App Store で販売されていますし、バージョンアップも頻繁です。ロングスパンでアプリを開発し育てて行く上での、工夫や考え方など教えて頂けましたら嬉しいです。
若林: ユーザーさんの意見や要望を聞きながら、取捨選択や咀嚼をした上で、アップデートすることを心がけています。
例えば、ユーザーさんから「〇〇という機能が欲しい」という要望が来た時には、そのまま実装したりはせずに、そのユーザーさんはその機能で何がしたいのかをまず考えてから、「シンプルで素早く使えるアプリ」というコンセプトに合致する形で、機能追加や改善ができないかを模索します。
今後の構想
ー 今後の構想について教えてください。
若林: ユーザーさんに喜んでもらえるよう、そして自分が使っていて便利なように少しずつ改良していきます。
最後に一言!
ー 最後に、この記事をご覧になっている皆さんに一言お願いします!
若林: Evernoteの活用の幅が広がるので、ぜひ使ってみてください!
ー ありがとうございました!
まとめ
Evernote にサクサク記録出来る FastEver 2。
大変便利ですので、ぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか!